アイアンが5番からPW(ピッチングウェッジ)までのセット内容になり、必然的にAW(アプローチウェッジ)・SW(サンドウェッジ)は別に揃えることになりました。それまでは、3番~9番アイアン・PW(ピッチングウェッジ)・AW(アプローチウェッジ)・SW(サンドウェッジ)の10本セットでウェッジを選ぶ必要がありませんでした。

ウェッジの選び方

アイアンセットのストロングロフト化の中、ウェッジのロフトを立てるわけにはいかず、取り残された存在になったウェッジです。しかし、当時からウェッジを別に揃えている上級者はいました。ショートゲームで使用するウェッジはフルスイングする必要がほとんどないため感覚がもっとも重要で、アイアンセットを次々に買い替えるたびに、折角つかんだウェッジの感覚をリセットしたくなかったからです。

ここでは、ウェッジの選び方について、たくさんのポイントに分けて解説します。


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ロフト角度の選び方

各社ウェッジのラインナップを見ると、ロフト角度のバリエーションが増え、ウェッジをセットで揃えることが前提になっています。ここでは、AW(アプローチウェッジ)とSW(サンドウェッジ)を選ぶと仮定してお話しします。

まず、注目しなければならないのは、今から揃えるウェッジのロフト角度ではなく、現在持っているアイアンセットのPW(ピッチングウェッジ)のロフト角度です。調べてみると一般的に43~47度くらいになっているようです(2013年12月時点)。39度などもありますが、これはシニア向けのクラブだったりします。

理想のロフト角度の間隔は4度

距離を刻むために必要なロフト角度の間隔は4度といわれます。4度よりも少なくなると、クラブごとの距離の間隔が曖昧になってしまいます。それは同じようなウェッジを2本入れていることを意味します。

たとえば、ロフト角度が52度のAWで95ヤード、56のSWで80ヤードの飛距離があるとすると、飛距離の差は15ヤードです。AWとSWのロフト角度の間隔が2度だったとすると、単純に7.5ヤードの差しかなく、アマチュアとってその距離はミスショットでもなく平均的な誤差の範囲内になっていることでしょう。

主なメーカーのウェッジロフト角度

主なメーカーのウェッジのロフト角度を表にしたのが以下です。ロフト角度のバリエーションの違いはありますが、どのメーカーも2度刻みで用意しているようです。

主なメーカーのウェッジロフト角度/2013年12月時点
モデル/ロフト角 46 48 50 52 54 56 58 60 62
クリーブランド/588RTX - -
タイトリスト/ゴールドフォージド
フォーティーン/RM-12 - -
キャロウェイゴルフ/MACK DADDY2 - - -

今、使っているアイアンセットの中のPWのロフト角度を調べて4度の間隔でウェッジを選ぶことです。もしもPWとAWの間に大きな差が出てしまった場合は、アイアンセットのオプションにAW、SWがあるか確認してみましょう。それで気に入らなければ、オプションのAW、SWのロフト角度のウェッジを探すのも1つの方法です。

上級者はロフト角度の間隔が5度以上になっても難なくクォーターショットで距離を刻むことができますが、アベレージゴルファーは教科書通りできるだけ4度刻みで選びことをおすすめします。

2018年 主なメーカーのウェッジロフト角度

下記は2018年1月時点の主なメーカーのロフト角度です。

主なメーカーのウェッジロフト角度/2018年1月時点
モデル ウェッジロフト角度
ボーケイデザイン/SM6 46~62°/2°刻み
クリーブランド/RTX-3 48~60°/2°刻み
キャロウェイゴルフ/マックダディ4CRM 46~60°/2°刻み
フォーティーン/DJ-33 41~50°/3°刻み
52~60°/2°刻み

2018年1月時点の主なウェッジのロフト角度は2013年のものと比べても、ほぼ同じと言っていいでしょう。中にはPWに入る角度のウェッジではロフト角度の刻みを3度にしているメーカーもあります。

現在、使用しているウェッジもフェース面などが消耗していないのであれば、十分に使えるということです。

バウンス角度の選び方

サンドウェッジ(SW)でとくに如実に表れるバウンス角(バンス角)の選び方について解説します。主にバンカーで使うサンドウェッジ(SW)のバウンス角度は、使う側のレベルやホームコースの砂質で選びたいところです。

通常、バウンス角度は6~14度くらいです。バウンス角度の小さいものは8度くらいが一般的ですが、これはアプローチウェッジ(AW)などに使われています。サンドウェッジ(SW)でも8度のローバウンスと呼ばれるものもあります。

バウンス角度の選び方

バウンス角度が多いモデルの特徴

バウンス角度が多いモデルは、スクエアに構えてもある程度の高さのバンカーであれば、十分脱出できますので、バンカーで威力を発揮します。一方で、アプローチに使うときにバウンスが邪魔になり、地面を弾いてしまうこともあります。そのためアプローチではボールを右側に置いて行なうか、アプローチウェッジを使用することになります。

バウンス角度が少ないモデルの特徴

バウンス角度が少ないモデルは、アプローチで使うといろいろなアプローチを行なえますが、一方でバンカーショットのときにフェースを開いて使うことが前提になります。バウンス角度が少ないローバンスのウェッジでも開くことでバウンスを強く使えるモデルもあります。

自分で調べるバウンス角度

今、使っているモデルを地面にソールしてフェースを開くことでリーディングエッジが浮いてくるモデルはバウンスをしっかり使えるタイプです。できたら自分のもの以外のウェッジと比較すると分かりやすいでしょう。もしもバンカーショットが上手くいかないゴルファーはその辺も確認してみるといいでしょう。

2018年 主なメーカーのウェッジバウンス角度

下記は2018年1月時点の主なメーカーのバウンス角度です。

主なメーカーのウェッジバウンス角度/2018年1月時点
モデル バウンス角度
ボーケイデザイン/フォージド ウェッジ 10~14°
クリーブランド/RTX-3 6~14°
ミズノ/T7 ウェッジ 6~14°
フォーティーン/DJ-33 2~6°
フォーティーン/RM-22 6~10°

DJ-33だけが突出してバウンス角度が小さいのですが、これはソール幅を広くしてフェース面側のソールを厚くすることでバンカーでも抜けが良いウェッジになっています。

近年はバウンス角度のバリエーションが豊富になりました。ロフト角度が大きくなるからバウンス角度が大きくなるわけではないので、ロフト角度を選んだ後にバウンス角度を選ぶこともできますし、「バンカーが苦手だからバウンス角は大きいほうがいいな!」って方はある程度バウンス角度を決めた後にロフト角度を選ぶこともできるようになりました。

初心者のウェッジの選び方

初心者ゴルファーがウェッジを選ぶときに1つの指針になるのが、バンカーショットをするサンドウェッジです。上記のロフト角度の選び方とバウンス角度の選び方を踏まえて選びましょう。

ロフト角度ですが、56度がお勧めです。58度のモデルでは場合によってはロフトがある分距離感を合わせにくく、スピンが無駄に効き過ぎたりするので止まったり止まらなかったりといった具合です。距離が合わせやすくスピンも平均的に効くのは昔から存在するロフト角度が56度のウェッジだと確信しています。

また、最近の傾向としてアメリカンタイプウェッジと呼ばれる出っ歯のウェッジが主流になってきています。近年、洋芝のゴルフ場も増えてきました。ボールが沈みやすいため拾うように打てる出っ歯型のウェッジは便利なのですが、初心者としてはそれがチャックリの原因になったりします。FP値(フェースプログレッション)を参考にして出っ歯すぎないもの、場合によってはグースネックのものが使いやすいはずです。

初心者ゴルファーにとってバンカーからの脱出は必ず課題になります。初心者やバンカーショットが苦手なゴルファーは基本的に、バウンス角度が12~14度のモデルがお勧めです。これくらいあればある程度のバンカーでもスクエアに構えたとしてもバウンスを使うことができるので、オートマチックなスイングで脱出が可能になります。