ユーティリティをキャディバックに入れている方もたくさんいらっしゃるでしょう。私も1本入れています。どんなライからでも打てますし、ラインが出やすいのも魅力ですね。フェアウェイウッドよりやさしくアイアンより飛ぶところが人気の秘密でしょうね!
ルール上、キャディバッグには14本のクラブを入れることができます。その中でもっとも難しいクラブといえばロングアイアンです。ドライバーよりも明らかに使用頻度が少ないため、練習もほとんどしていないクラブです。
以前は、「14本のゴルフクラブ」というルール上の本数を埋め合わせるためにパワーヒッターしか使いこなすことのできないロングアイアンを入れていた節があります。時代の流れで、アイアンでも飛距離を求めるあまり、アイアンセット全体のロフトが立ってしまい(ストロングロフト)、そのしわ寄せでロングアイアンが難しくなってしまう現象が起こってしまったわけです。
このような理由からフェアウェイウッドとアイアンの隙間を埋めるため、または難しくなってしまったロングアイアンの代わりとなるクラブが絶対的に必要になったのがユーティリティ(ハイブリッド)と呼ばれるゴルフクラブです。
人気ユーティリティメーカー
ユーティリティの種類の選び方(ヘッド)
ユーティリティには大きく分けて3つのタイプがあります。
M型(ミッドクラブ型)ユーティリティ
フェアウェイウッドが苦手というゴルファーにはM型(ミッドクラブ型)がお勧めです。一般的にユーティリティといえば、M型が人気です。それだけに各メーカーのラインナップも豊富です。
フェアウェイウッドと比べると重心深度が浅いため、シャフト次第という部分もありますが、吹き上がることなくライナー性の球筋です。期待するほどボールは上がりませんが、その分ラインを出しやすくなります。
I型(アイアン型)ユーティリティ
ロングアイアンの役割をやさしいユーティリティで行ないたいゴルファーはI型(アイアン型)がお勧めです。使ってみれば、ロングアイアンに比べて明らかにやさしいことが分かるはずです。特にこれまでロングアイアンを使っていたゴルファーにとっては、やさしく感じるはずです。
しかし、シャフトやスペックの選び方を間違えてしまうと飛距離、方向性ともに得ることができません。非力なゴルファーが「ユーティリティがやさしいから」と下手に手を出すと痛い目に合います。基本的にパワーがあり打ち込む感じで打つゴルファーにおすすめのクラブです。
W型(ウッド型)ユーティリティ
フェアウェイウッドが得意なゴルファーは、迷うことなくW型(ウッド型)をお勧めします。一般的にショートウッドと呼ばれているクラブで7番ウッドや9番ウッドがそれにあたります。ボールがよく上がり、ダフるゴルファーにはピッタリのクラブです。
パワーヒッターは重心深度が深いため引っかけたりボールが吹き上がることもあります。非力なゴルファーに向いています。一時期、女子プロが挙ってたくさんのショートウッドを使っていましたが、現在は、M型のユーティリティの使用率が高いくなってきたように思えます。
シャフトの種類の選び方
現在お持ちのゴルフクラブの中で、ドライバーやスプーンなどのウッドがカーボンだと仮定してお話しします。シャフトの特徴として、飛距離を求めるのであれば、カーボンシャフトでクラブ長を長めにすることが基本ですし、方向性を求めるのであれば、スチールシャフトでクラブ長を短めにセッティングすることが基本になります。
ユーティリティのシャフトはカーボンかスチールか
アイアンセットがカーボンであれば、ユーティリティのシャフトは迷うことなくカーボンシャフトにすべきです。アイアンセットがスチールシャフトを使用しているときに限り、カーボンシャフトとスチールシャフトの選択が必要になります。
ロングアイアンをまったく使えないのであれば、カーボンシャフトがお勧めです。ロングアイアンをそれなりに使っているゴルファーでI型ということであれば、スチールシャフトでもいいでしょう。スチールシャフトにすると方向性は期待できますが、飛距離はそれほど望めません。それを踏まえてロングアイアンを打てる人であれば、スチールシャフトを使う資格があります。
もしもロングアイアンを持っていない人は、周りの方にお借りして練習場で試し打ちさせていただくといいでしょう。カーボンとスチールシャフトのどちらを使うか、そこが1つの線引きになるからです。
ユーティリティのセッティング
具体的にどこを比較して選べが良いか考えてみましょう。もっとも良いのは現在使用しているゴルフクラブセットの流れを取り入れることです。
FWやアイアンと同じメーカー・モデルのユーティリティを選ぶ
ユーティリティをドライバーやフェアウェイウッドの流れで選ぶのであれば、持っている一番小さなウッドと比べることです。たとえば、キャディバッグにドライバーとスプーンを入れているのであれば、スプーンのメーカー・モデルの流れを組むユーティリティが存在するのであれば、それがベストです。同じようにアイアンからの流れで選ぶのであれば、アイアンセットと同じメーカー、モデルの流れを組むユーティリティが存在すれば、それがベストというわけです。
FWやアイアンと別のメーカー・モデルのユーティリティの選び方
別のメーカー、モデルのユーティリティを選ぶときに気をつけなければならないことは、ロフト角度、クラブの長さ(クラブ長)、クラブ重量です。この3つがウッドとアイアンの中間に、もしくは複数本のユーティリティを入れるのであれば当然均等割りにしなければならないでしょう。この決まりを破るとキャディバッグに同じようなクラブが複数入っていることになります。それは避けたいところです。
ユーティリティだけが異常に飛んだり、高弾道になったりとクラブセッティングの流れを壊すことも多くあります。ユーティリティだけスイングを変えないと上手く打てないということも問題です。
ユーティリティのセッティング例
たとえば、ドライバー、スプーン、クリーク、5番アイアン(5I)からのセットを所有していると仮定するとユーティリティを挟むことになるクリークと5番アイアン(5I)のスペックを調べることになります。
ロフト角度を選ぶ
ユーティリティは呼び名がメーカーによって違います。そのためロフト角度でクラブの比較をすることが必要になります。
最近のクリークの大まかなロフト角度は17.5~19度で一般的には18度のようです。5番アイアン(5I)はとても幅が広く24~27度といったところでしょうか。
5番アイアン(5I)のロフト角が24度であれば1本、27度であれば1~2本必要と考えられます。(※27度の場合、ユーティリティだけでなくフェアウェイウッドも2本のうち1本は考えてみる。)
クラブの長さ(クラブ長)を選ぶ
ユーティリティの長さは5番アイアンよりも長いものを選びましょう。しかし、決して長すぎるものは禁物です。長いクラブで飛ばしたいのであれば迷わずフェアウェイウッド系がおすすめです。ユーティリティはフェアウェイウッドよりも短いためにミート率が向上することがメリットです。
クラブ重量を選ぶ
クラブ重量はきっちりクリークと5番アイアンの間に入るようにしたいところです。どうしても最後に揃えようとするとどこかで歪みが起こります。ほしいユーティリティを選べないこともあります。その場合はショップやリシャフト業者に持ち込むことになりますね。(別のページでも話していますが)
非力なゴルファーはショートウッド
基本的に非力なゴルファーにはロフトが多いフェアウェイウッド系いわゆるショートウッドをおすすめします。ユーティリティがやさしいと言われますが、それなりに使う人を選ぶところがあります。
近年のボールは飛距離を伸ばすためにスピン量を減らす傾向にあります。フェアウェイウッドほど上がらずライナーになりやすいユーティリティは非力なゴルファーではボールを上げることさえ難しいことがあります。シャフト次第ということもあります。
手に入れたからといって欲張らない!
これだけ説明してもユーティリティで化けることはそんなにありません。
ユーティリティでパー5のセカンドを乗せてやろう!200ヤード先のグリーンに乗せてやる!なんて考えず、「しっかりとグリーンに近づけることができた」、「前に進めることができた」くらいの楽な気持ちで使いたいものです。
そうすればユーティリティを手に入れた意味がありますし、自ずと良い結果につながると思います。