マッスルバックアイアン/コンベンショナル

近年やさしいクラブが全盛でどのメーカーも簡単にボールがよく飛び、ミスショットしても曲がりにくいクラブを開発してきました。

ドライバーはパーシモンヘッドからメタル、チタン、複合ヘッドと変化し飛距離は大きく伸びました。ヘッド体積は460ccの大型ヘッドが当たり前となりボールに当たるかなんて心配は無用になりました。可変式ドライバーいわゆるカチャカチャも発売されるドライバーの半分を占めるほどの人気ぶりです。ロフト角度が多めになっているところも易しさ重視です。

アイアンであれば、キャビティバックのアイアンはまさにそれに当たります。多少ダフったとしても飛距離はそれほど変わらないし、スイートスポットの広さは非常にありがたいときもしばしばです。パンチショットをしても必要以上にボールが飛んでしまい、アイアンの飛距離を過大評価することもあったりして、「7番アイアンで180ヤード飛んだ!」と飛距離自慢が巷にあふれています。

現在、行われているフジサンケイレディースクラッシックの予選初日、佐伯三貴選手の最近の不調にはいろいろな面があるがその中の1つにクラブの性能が上がったことがあるという興味深い話がありました。

やさしいクラブはミスがミスショットに繋がらず、結果的に良いスイングをしたのかどうか判別できなくなるということです。スイングを作るうえで支障がでてくるということでした。まさに私が常々考えていることと同じことを言っていました。

ミスしたと感じてもボールはそれほど曲がらず、バンカー入ったと思ったら遥かに超えていた、そんなクラブがよいという風潮はもしかするとこれから変わっていくのかもしれません。

一般的にやさしいと言われるゴルフクラブは、初心者やアベレージにとってはとてもありがたい魔法のようなクラブです。プロや上級者は自分のスイングに敏感に反応するゴルフクラブをやさしいと感じます。現在のようにミスがミスショットにつながらないクラブはプロや上級者にとって「言うことを聞かない難しいクラブ」となります。

マッスルバックアイアン/コンベンショナル

初心者でもゴルフの取り組み方次第ではむずかしいと言われるゴルフクラブを使っても何も差支えないのです。曲がってほしいときに曲がる、飛ばしたいときに飛ぶ。そんなゴルフクラブが自分のゴルフを強くするはずです。

ではまた